ドリーアウト
別名ドリーバック, プルバック, 後退ドリー
ドリーアウトは、レンズの焦点距離を固定したまま、カメラ本体を物理的に被写体から後方へ引いていくカメラワークです。フレームがリアルタイムで広がり、被写体周囲の空間が明らかになりながら、被写体自体は画面内で相対的に小さくなっていきます。
何を伝えるか
監督がドリーアウトを選ぶのは、物理的にも心理的にも「距離」を作りたいときです。緊張した場面の後に間を置いて解放感を出したり、人物を広い空間に沈み込ませて孤立感を強調したり、シーンの終わりに離別や幕引きの感覚を添えたりします。ズームとは違い、パースの変化が自然かつ段階的に起こるため、観客自身が一歩後ろに下がったような感覚が生まれ、演出的な「見せつけ」ではなく自然な気づきとして見せることができます。
撮り方
カメラはドリー、台車、またはスライダーに載せられ、トラックやレール、あるいは平滑なスタジオフロア上を、被写体から真っすぐ後方へ、毎秒30〜90cm程度の一定速度で押されるかモーター駆動で引かれていきます。焦点距離はショットの間ずっと固定されるため、ズームのように光学的に距離感を作るのではなく、カメラの後退に伴ってパースと奥行きの関係が自然に変化していきます。多くの場合フォローフォーカスマン(フォーカスプラー)が同乗し、距離が伸びるにつれて被写体のピントを保ちます。トラックの長さと移動速度はショットの尺に合わせて事前に計算され、セリフや動作、あるいは音楽のビートに正確に合わせて「見せ場」が来るように仕込まれます。
使うべき場面
- シーンの終わりに人物から引いて、幕引きや退場の感覚を示すとき
- それまでのタイトショットを広い環境の中に再配置し、段階的に文脈を明かすとき
- 人物を広く空虚な空間に沈み込ませ、孤立感を演出するとき
- 対立や衝突の後、観客に一息つく余白を与えて緊張を緩めるとき
混同しやすいテクニック

ズームアウトは焦点距離だけを変えるため空間が不自然に圧縮され奥行きが平坦になりますが、ドリーアウトはカメラ自体が後退するため、パースとパララックスが自然に保たれます。

空撮のプルバックはドローンやクレーンで上昇しながら後退し、上空からスケール感を見せますが、ドリーアウトは地上に留まり、被写体と同じ水平面上を後退していきます。
映画での使用例
時計じかけのオレンジ (1971)
オープニングでアレックスの凝視からカメラが後退し、コロヴァ・ミルクバー全体を映し出すことで、対峙的なクロースアップを不穏な群像劇へと転換させる。
フレンジー (1972)
ラスクがバブスを二階へ連れて行く場面で、カメラは階段を下って通りへと後退し、殺人の瞬間を見せずにシーンを広げていく。
プロンプト
「ドリーアウト」あるいは「カメラが後退する」と明示し、焦点距離は固定であると指定して、モデルがズームとして生成しないようにします。カメラが後退するにつれてフレームに入ってくるもの(壁、地平線、他の人物など)を具体的に描写してください。この「見せ場」の描写こそがショットの核心だからです。序盤のフレームでは被写体を中央または安定した位置に保ち、フレームが広がっていく様子が明確に読み取れるようにします。「ズーム」「望遠」「クロップ」といった語は光学ズームを誘発しやすいため避けてください。
このページの映像を生成した正確なプロンプトです。動きの記述はそのまま残し、被写体と舞台設定を変えてご利用ください。
Dolly out: the camera is mounted on a track and moves straight backward at a steady pace, away from a weathered lighthouse keeper standing at the base of a tall white lighthouse on a rocky, storm-lashed coast. The lens stays fixed at a normal focal length with no zoom. Rain lashes sideways, waves crash against black rocks, and as the camera retreats, the full height of the lighthouse and the churning gray sea around it gradually enter the frame, shrinking the keeper within the widening shot. No text.
よくある間違い
ドリーの代わりにズームを使ってしまう
ズームでこのショットを代用すると奥行きが平坦になり、物理的な後退が生む本来のパース変化ではなく、不自然で見え透いた圧縮感が生じてしまいます。
トラックやフロアの不整地
ドリーの走行路に段差や振動があると、それが仕上がりの映像に目に見える揺れとして現れ、この動きに求められる滑らかで意図的な質感が損なわれます。
移動中のピント外し
距離の増加に合わせてフォーカスプラーが調整を行わないと、移動の途中で被写体のピントが甘くなり、見せ場そのものが台無しになってしまいます。
よくある質問
ドリーアウトとは何ですか?
ドリーアウトとは、カメラが物理的に被写体から後方へ移動していくショットで、レンズの焦点距離は一定のまま、フレームが広がって周囲の空間がより多く映り込みます。
ドリーアウトとズームアウトの違いは何ですか?
ドリーアウトはカメラ自体を物理的に移動させるため、自然な奥行きとパースが保たれます。一方、ズームアウトは焦点距離だけを変化させるので空間が圧縮され、比較すると人工的な印象になりがちです。
ドリーアウトを撮影するにはどんな機材が必要ですか?
トラックや平滑なフロア上を走るドリー、台車、またはスライダーと、安定して押せるか、あるいはモーター駆動できるリグが必要です。距離が伸びるにつれて被写体のピントを保つため、フォーカスプラーがいることが理想的です。
AI動画生成ツールでも説得力のあるドリーアウトは作れますか?
はい。Imaginodeのようなプラットフォームでは、カメラが焦点距離を固定したまま後方へ移動する様子を描写し、後退につれてフレームに入ってくるものを具体的に指定することで、モデルがズームとして生成してしまうのを防ぎ、ドリーアウトをプロンプトで生成できます。