タングステンバランス
別名タングステンホワイトバランス, 3200Kホワイトバランス, 屋内カラーバランス
タングステンバランスとは、色温度をおよそ3200Kに設定し、白熱電球やプラクティカル照明の暖色系の光を中間色(ニュートラルな白)として再現するホワイトバランス設定のことだ。同じ設定のまま昼光下で撮影すると、昼光が当たる部分だけ強く青みを帯びる。撮影監督はこのミスマッチを、雰囲気作りのために積極的に使うことも、フィルターで補正することもある。
何を伝えるか
タングステンバランスは、画面の色を光源の実際の色温度に結びつける手法だ。そのため、プラクティカル照明に合わせて正しく撮影されたシーンは地に足のついた自然な質感になり、フレームに入り込む昼光はそれとの対比で冷たく異質に見える。監督はこのミスマッチを、カットを割らずに物語空間を分けるために使う。暖かく人間的な室内と、冷たく無機質な外の世界を対比させたり、キャラクターがある光源から別の光源へ移動した瞬間に、空気感の変化を一気に伝えたりする。
撮り方
フィルム時代は、タングステンバランス用フィルム(3200K)が白熱灯下での撮影用に作られており、昼光下で使う場合は85フィルター(オレンジ系の補正フィルター)で色温度を合わせていた。デジタルカメラでは、ホワイトバランスのダイヤルやケルビン設定をおよそ3200〜3400Kにすることで、センサーの読み取りに青を足し、オレンジ系のタングステン光が中間色に見えるようにする。同じフレームに昼光(5500〜6500K)やHMI光源が未補正のまま入ると、その設定に対して1500〜2000K寒色寄りに写り、その部分だけ強い青被りが生じる。照明部(ガファー)は、どの光源をCTBやCTOフィルターで補正し、どの光源をあえてミスマッチのまま残すかを判断し、撮影監督は外の環境光ではなく、支配的なプラクティカル光源に合わせてカメラのホワイトバランスを設定する。
使うべき場面
- 家庭用電球やキャンドル、プラクティカル照明が主光源で、それを自然な白として見せたい室内シーン
- 窓やドア越しに見える冷たく青い屋外と、暖かく照らされた親密な室内を対比させたいとき
- キャラクターがある光源から別の光源へ移動した瞬間に、時間や場所、空気感の変化を伝えたいとき
- ガラス越しにナトリウム灯やタングステン系の育成灯と昼光がせめぎ合う温室や工房、研究室のシーン
混同しやすいテクニック

クールブルーのカラーグレーディングは、現場の光源に関係なく、ポストプロダクションで画面全体を青系に寄せる仕上げの選択だ。一方タングステンバランスは撮影現場で行うカメラ設定であり、フレーム内のどの光がタングステンでどれが昼光かに応じて反応が変わる。

デイ・フォー・ナイトは、露出と色の工夫によって昼間の撮影を夜のシーンに見せかける技法だ。タングステンバランスは時間帯をごまかすものではなく、あるプラクティカル光源に合わせて補正し、昼光など他の光源には実際の色差をそのまま見せる技法だ。
映画での使用例
トラフィック (2000)
ソダーバーグはオハイオ編のパートを、昼光補正をかけないタングステンバランスのフィルムで撮影し、屋外や窓明かりの室内に、メキシコ編のタバコ色フィルターとは対照的な冷たい青みを与えた。
マッドマックス 怒りのデス・ロード (2015)
撮影監督ジョン・シールは多くの夜間シーンを昼間にタングステンホワイトバランスで撮影し、デジタルグレーディング以前の段階で砂漠と空を青く転ばせるデイ・フォー・ナイトを実現した。
プロンプト
暖色のタングステン光(電球色のランプ光)が被写体に当たっている状態と、窓やガラス越しに入る未補正の冷たい青みの昼光を、両方の光源と色温度を明記して指定する。「コージー」「ムーディー」といった曖昧な雰囲気語だけに頼らず、電球はニュートラルなまま、屋外光は青く転ぶといった物理的なミスマッチを具体的に描写し、短い映像でも色の対比がはっきり読み取れるよう、カメラは固定またはゆっくりとした動きにとどめる。
このページの映像を生成した正確なプロンプトです。動きの記述はそのまま残し、被写体と舞台設定を変えてご利用ください。
Tungsten balance: a static locked-off shot inside a glass greenhouse at dusk, camera at eye level on a middle-aged woman in a canvas apron misting rows of tomato plants under warm tungsten grow lamps that render her skin and the leaves in neutral, accurate color. Through the glass panels behind her, the fading daylight outside reads as a strong cool blue, unmatched to the interior light. The camera holds perfectly still for the full four seconds while she moves slowly between plants, the color contrast between the warm interior and the blue exterior staying constant and unchanged. No text.
よくある間違い
撮影ではなくグレーディングで解決しようとする
昼光下で撮影したシーンをポストで青みがかったティントで後付けしようとしても本質は外れる。タングステンバランスは実在するプラクティカル照明に結びついたカメラ側の判断であり、後から加えるフィルターではない。
すべての光源を補正してしまう
窓もランプもすべてゲルで色温度を合わせてしまうと、タングステンバランスを面白くしている対比そのものが消えてしまう。あえて一つの光源だけ未補正のままにしておくことが、狙いの核心であることが多い。
肌色の確認を怠る
ミックス光源下でホワイトバランスをタングステンに設定したまま顔色を確認しないと、肌が不健康な緑や青に見えてしまうことがある。背景だけでなく、キャリブレーションされた基準で肌色を必ずモニターすること。
よくある質問
タングステンバランスとは何ですか?
およそ3200Kの色温度に設定するホワイトバランスのことで、白熱電球など屋内のプラクティカル照明のオレンジがかった色被りを打ち消し、カメラやフィルム上で正確な白色光として再現する設定です。
なぜタングステンバランスにすると昼光が青く見えるのですか?
昼光はおよそ5500〜6500Kと、補正基準である3200Kよりもかなり寒色寄りです。タングステン光を補正するために加えた青みが、同じフレーム内の昼光には過剰に効いてしまい、目に見えて青く転んでしまうためです。
タングステンバランスは青いカラーグレーディングと同じですか?
いいえ。タングステンバランスは撮影時にカメラやフィルム側で設定するもので、現場に実際に存在する光源の組み合わせにのみ反応します。一方、青系のカラーグレーディングは光源に関係なく画面全体に一律にかける仕上げ加工です。
AI動画生成ツールでもこの見た目は再現できますか?
はい。被写体に当たる暖色のタングステン光やランプ光と、窓やガラス越しに入る冷たい青の昼光という2種類の光源をはっきり書き分け、コントラストが読み取りやすいよう固定またはロックした構図を指定してください。Imaginodeのようなツールなら、これを数秒で描き出せます。