マスターショット
別名マスター, カバーショット, セーフティショット
マスターショットとは、シーン全体を一つの視点から途切れなく撮影し、その中で起こる全ての芝居とセリフを記録するワイドショットのことである。編集者が後で寄りの絵をつなぐ際に立ち戻れる、シーンの完全な記録として機能する。
何を伝えるか
監督がまずマスターを撮るのは、そのシーンの空間関係を固定するためである。各役者がどこに立ち、どう動き、光がその空間にどう当たるか。これは編集の保険であり、寄りのカットがうまくつながらない時に立ち戻る絵であり、役者にとっては芝居を断片ではなく通しで演じられる場でもある。感情面では、物語が焦点を絞り込む前に、観客が人物同士の関係性やブロッキングを読み取れるようにする役割を持つ。
撮り方
カメラは三脚やドリーに固定し、ワイドからミディアムワイドの画角で、フルフレームセンサーでおおむね24mmから35mm程度、全役者とセットの要素が収まる広さに構える。ワイドショットは壁も天井も床も映るため、顔だけでなく空間全体を均一に照らすライティングが求められる。役者は登場から退場まで芝居を止めずに通して演じるため、事前にブロッキングをリハーサルし、マーク(立ち位置)をフロアに貼っておく。監督は一度アクションをかけたら数分に及ぶこともあるテイクをそのまま最後まで撮り切り、その後同じシーンをミディアムショットやクローズアップ、インサートで撮り直し、編集でこのベースレイヤーとインターカットしていく。
使うべき場面
- 後でカバレッジをつないで編集する会話シーンで、まずブロッキングとタイミングを固めたいとき。
- 全員の位置と動きがテイク間で一致していなければならない群像シーンを撮影するとき。
- 編集で人物を寄りのショットに切り分ける前に、空間内でのキャラクター同士の関係性を提示しておきたいとき。
- スタッフが少なく撮影スケジュールが厳しく、一本のワイドテイクでシーン全体をカバーしたいとき。
混同しやすいテクニック

establishing shot(状況説明ショット)は場所や時間帯を示すための、多くは外観の短い一枚絵であるのに対し、マスターショットはその場所の中でシーン全体の芝居を一つのワイドな視点で通して撮る点が異なる。

long take(長回し)は途切れないワンショットの長さやカメラの動きそのものによって定義されるが、マスターショットは編集上の役割によって定義される、シーン全体をカバーする静的なワイドのベース映像である。
映画での使用例
市民ケーン (1941)
パンフォーカスのマスターショットが室内全体を隅々まで鮮明に捉え、手前と奥の役者がカットを割らずに同じシーンを演じ切る。
我等の生涯の最良の年 (1946)
ウィリアム・ワイラーが家庭やバーのシーンでパンフォーカスのワイドマスターを用い、手前と奥の芝居をカットせずに一続きのドラマとして展開させている。
プロンプト
マスターショットは、部屋全体と全ての人物を4秒間ずっと収める、固定されたワンカットのワイドフレームとして記述すること。レンズはおよそ24mmから35mmと明記し、カメラは動かないこと、全ての芝居がフレーム内で起こり、フレーム外では起こらないことを指定する。カットや寄り、カメラの動きを求める指示は避けること。これらはマスターショットの成立を崩してしまう。ブロッキングはシンプルに保つこと、誰が入ってきて、誰が残り、何をするか。そうすることでモデルは断片ではなくシーン全体を生成できる。
このページの映像を生成した正確なプロンプトです。動きの記述はそのまま残し、被写体と舞台設定を変えてご利用ください。
Master shot of a Victorian library, a wide locked-off frame from a tripod holding the entire room: two floor-to-ceiling bookshelves, a rolling ladder, and a reading table lit by a green-shaded lamp. An elderly woman in a shawl enters from the left, crosses to the shelves, and hands a leather-bound book to a young man waiting by the table. The camera does not move, pan, or zoom; both figures remain fully visible at all times, lit by warm practical lamps and soft window light. Shot on a 28mm lens, deep focus keeps foreground and background sharp. No text.
よくある間違い
画角を寄りすぎる
役者の入退場がフレーム外になるほどマスターをきつく切ると、シーン全体を記録するというその役割が果たせなくなる。
カメラを動かしてしまう
マスター撮影中にパンやドリーを行うと、安定した基準ショットとしての役割が薄れ、後で撮るカバレッジとの整合性が編集で取りにくくなる。
ワイド用の照明が不十分
クローズアップだけを想定したライティングでは、ワイドフレームの隅が暗く平坦になる。マスターは顔だけでなくセット全体を映すことを忘れないこと。
よくある質問
マスターショットとは何ですか?
マスターショットとは、シーンの始まりから終わりまでを一台のカメラで途切れずに撮る、通常は固定のワイドショットのことです。全役者と芝居を収め、編集者がシーン全体の完全なバージョンを手元に持てるようにします。
なぜ監督はまずマスターショットを撮るのですか?
先にマスターを撮ることで、シーン全体のブロッキング、タイミング、ライティングが固まり、その後より効率的な寄りのショットに分けて撮る際のリハーサル済みの基準ができるからです。
マスターショットはカメラが動くこともありますか?
多くのマスターは固定、あるいはパンやわずかなドリーといった単純な動きに留まりますが、大事なのはシーン全体をフレーム内に収め続けることであり、ダイナミックなカメラワークを加えることではありません。
AI動画生成ツールで説得力のあるマスターショットは作れますか?
はい。Imaginodeのようなツールでも、カメラを固定すると指定し、レンズを明記し、フレーム内の全ての人物の位置と動きを記述すれば、静止したワイドショットを生成できます。